昨日、長年の友人に会って話していた所、外国人労働者の話になりました。彼は、現在、北関東の農業は、アジアからの研修生の安い労働力なくしては、成り立たなくなっていると言っていました。

確かに上映活動をしながら、地方を巡っていると、アジアの他の地域からの多くの労働者の姿を目にします。先日、和歌山の勝浦に行った時に、まぐろ漁船の傍らにいた若いアジア系らしき男性二人に声をかけたら、「フィリピンから1年契約で来ています。仕事は気に入っている」とのことでした。もう一人の人は、「契約が終わって、これから故郷に帰る所です」とおっしゃっていました。

撮影やその後もしばしば訪れいている福山でもブラジル人の他に、中国人、インドネシア人、ベトナム人といった人たちが多数在住し、働いています。広島の牡蠣うち(牡蠣を殻から出す作業)は、中国からの若い女性たちが超低賃金でやっているそうです。

日本人がやりたがらない厳しく賃金の安い労働は、今やみな外国人によって担われているのが現状です。ただその現場の多くは地方で、メディアにはあまり取り上げられないので多くの人に伝わっていません。

不況のあおりで、皆不安になり、不法滞在外国人だとか大騒ぎしたり、外国人排斥とかいう論調が出てきていますが、実際、これらの外国人労働者がいなくなったら、回らなくなるのが日本の現状です。どれだけこの社会が彼らの労働の恩恵をこうむっているか、現実をより多くの人たちに知ってもらい、冷静に議論を進めたいところです。

なにより、人々が捨てられる不安を抱かずに生きていける社会にしたいものです。