近江八幡のお寺での上映会 

近江八幡での今回の上映会は先にも記しましたが、西本願寺の別院で開かれました。本堂の外には2体のお坊さんの大きな銅像が建っています。一人は親鸞上人でお二人とも編み笠をかぶった旅姿です。きっとこの姿で布教行脚の旅にいらしたのでしょうか。

『ブラジルから来たおじいちゃん』の撮影で紺野さんと旅をしていた時、自分の足で歩き、人々の話に耳を傾け、時に優しく時に厳しく言葉をかける紺野さんの姿は、私にとって、まさにお坊さんでした。時代が変化して、社会は変わっても、必要とされていることは同じで、形を変えて現れるのかなと思いました。

紺野さんにとってなかなかにふさわしい場所で上映会を開いていただいたとうれしくなった次第です。


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近江八幡市での上映会

昨日、近江八幡市の西本願寺別院で多文化まるごとフェスタが開かれ『ブラジルから来たおじいちゃん』が上映されました。こちらには、ワールド・アミーゴ・クラブという外国人の子供たちの学習支援を行なっているグループがあり、そこに来ている子供たちやそこで教えている先生たちも参加してくれました。

まず、日本、韓国、中国、ブラジル、ペルーの料理が供されたお食事会。ブラジルからはフェジョンやコッシーニャ、キビなどのごちそうがテーブルに。また、ブラジル人学校3校が共同で行なっている農場でできた野菜のサラダも。もちろん無農薬でとてもおいしかったです。

食後に、朝鮮通信使も訪れたことのあるという由緒ある本堂で上映会が開かれました。春なのにまだまだ寒い中、本堂は相当寒かったのですが、皆さんの熱気で1時間あっという間に過ぎました。

その後は、また、暖かな別室で質疑応答の時間がもたれました。アミーゴ・クラブの支援を受けて、今は大学生のペルー人とブラジル人の若者が感想を述べてくれました。「何国人ということにこだわらずに地球人として生きているおじいちゃんが格好良かった」「子供の頃、学校からの通知を親に訳したりするのをめんどうくさく思い、どうして自分だけがと思っていましたが、映画を見て、自分だけではなかったと気がつきました」などという感想です。彼らは、日本語、英語、それぞれの母語を勉強して、社会に役立とうと張り切っています。

故郷のおじいちゃん、おばあちゃんを思い出したと涙涙のブラジル人女性。また、紺野さんが学校でいじめのことを先生方に尋ねておられるが、学校側はどちらかというと曖昧な対応。これについてどう思いますかという質問も寄せられました。

紺野さんは事あるごとに子供たちから学校の事を聞いていて、いじめがあるというのは直接耳にしていました。だからこそ、先生方に面と向かって尋ねられたわけです。日本語のできない親に代わって、学校の先生と懇談して、理解を深めたい。それが紺野さんが学校に足を運ばれた理由でした。実際、それで学校がどう対応するか、また、どう物事が変化するか、それは、こちらの側に問われていることかと思います。

『ブラジルから来たおじいちゃん』を見ていただき、いろいろな国からやってきた人たちと交流しながらなごやかに過ごすことのできた土曜日の午後、とても幸せな時間でした。近江八幡の皆様、大変ありがとうございました。

 

この記事へのコメント
本当にいい集まりでした。
地球人・宇宙人に一足飛びになる前に、それぞれの文化や習慣の独自性を大事にする社会でありたいな、と思いました。
紺野さんの具体的な対応や出会いに相対して、建前的な総論的な日本の学校の対応に寂しくなりました。監督さん、ご苦労様でした。
Posted by しん平 at 2010年03月31日 09:11

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早咲きしだれ桜満開近し

近所の公園を昨日、通りかかった所、早咲きのしだれ桜がすでに7分咲きになっていました。そのほんの数日前はちらほらに過ぎなかったのですが。あっという間に春が近づいた感じです。

近頃、長年会っていなかった東京の友人が京都を訪ねてこられたり、しばらく連絡が途絶えていたヨーロッパの友達から演劇の招待状が届いたり、旧交を温めています。一方、関西で新しいプロジェクトも試験的に始めることができそうです。これも十数年来のおつきあいのある方とのお力があってこそ実現できるお話です。

花が咲いて種が落ちて、また、花が咲くように人間関係も似ているなと思う今日このごろです。

 

この記事へのコメント
28日はお疲れ様でした。
田んぼの中のポンプ小屋でライブリハーサルするアンクルです。
「ブラジルから来たおじいちゃん」への稚拙な感想を自らのブログにアップさせていただきました。
Posted by アンクル at 2010年03月29日 23:02
http://manabou.shiga-saku.net/ アンクルさんコメントリンク

アンクルさん、コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、とても優しい一方、厳しい。安易な同情はありません。自分の力で現実を乗り越えていきなさいという励ましです。そこが本当に苦労した方の、相手への思いやりなのかなと思います。


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ブラジル人の子供たちの人間力

この間、出会うブラジル人の子供たちや若い人たちについて強く印象づけられたことは、彼らの持つ人間力とでも言うべきものです。日頃、多文化共生等の議論の中でも、支援の対象とされがちですが、彼らとつきあってみると、大人の私が見習いたいと思うような自然に人と関われる力が備わっています。

以前、ブラジル人学校をお尋ねした時に、小学校3年生の子供たちに紹介されましたが、先生が私に質問をしてご覧というと、素直にいろいろな質問を投げかけてきました。お菓子を持っている子は、どうぞと私にすすめてくれましたし、漫画本を持っている子は、どちらか好きな方をあげると言ってくるのです。また、上の年齢の子供たちが自然と小さな子供たちの世話をやいています。今の日本の子がここまで上手に人と関われるかなと思い、とてもびっくりしました。

私がもらった漫画本は、シコ・ベントというブラジルの子供たち誰もが知っているようなキャラクターの漫画です。田舎に住む少年シコ・ベントのお話で、どれも素朴で道徳的なメッセージがこめられています。私の好きなのは、シコ・ベントが傷ついた小鳥を家に連れて帰って介抱してやります。猫がつけ狙ったりするのを追い払ったり、大切にします。ある日、小鳥は元気になって、空に飛び立って行きます。シコ・ベントはそれをちょっと悲しく思いますが、振り返らずに家に帰ろうとします。ところが、大雨に降られて風邪を引き、寝込んでしまいます。すると、窓辺に例の小鳥がやってきて、シコ・ベントの為に美しい声で歌を奏でるというお話です。たわいもないお話ですが、さまざまな教訓が埋め込まれています。日本の子供たちの読んでいる漫画やゲームといかに違っていることでしょうか。

最近、ブラジル人の子供たちが持っている人間としての力に注目しています。日本人の子供たちや大人が彼らから学べることがたくさんあるように思います。


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ポルトガル語補習の先進的な取り組み校を訪問

昨日は三重にうかがいました。ここのブラジル人学校では、ポルトガル語の授業の他に日本語の授業も週に6時間しており、加えて放課後には、日本の公立小学校に行っている子供たちにポルトガル語の授業をしています。

ブラジル人学校に行っていれば日本語がわからないし、日本の学校に行けば母語であるポルトガル語ができないという問題を制作、上映活動をする中で見聞きしてきました。その問題解決がここで始められています。

お話をうかがってみると、その地域の行政の方と学校側の連携で出来上がったという事。やる気のある方たちがそれぞれの場所にいればそれなりに可能なのだということがわかりました。こういう取り組みが各地で広がっていけば、日本語、ポルトガル語のバイリンガルの子供たちがどんどん育っていきます。子供たちにとっても、日本の将来にとっても希望をもたらすこの取り組み、どしどし広めていってほしいです。


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ニューヨークへも

今回、シカゴでの上映後、ニューヨークを訪ねます。友達に会ったり、リサーチをしたいと思っています。ドキュメンタリー映像で以前お世話になった方たちにも久しぶりにお目にかかり、『ブラジルから来たおじいちゃん』を見ていただこうと思っています。今からわくわくしてきました。

今日は三重に行って、外国籍の子供たちへの支援の取り組み等を拝見させていただきます。

ここ数日、寒さが戻ってきていますが、もう春。エネルギーが満ちてきています。


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