2009年1月17日、第七藝術劇場での上映後、
スカイプを通じてサンパウロの紺野さんにご登場いただきました。




 
 本日は、お忙しい所を来て頂いて有難うございます。

 日本人のブラジル移住が始まって、昨年で100年になります。今は2世から3世の時代になります。ブラジル社会の各分野に進出して夫々の家業に従事して仕合せに暮らしていますので御安心下さい。
 昨年は航空大将が出ました。斉藤準一さんです。そして今では、商工農業を始め学界政界軍部に到る迄各界に進出しています。ブラジルは人種差別がないので楽しく平和に家庭を持って仕合せに暮らしているのです。

 これを見て私共移民は親として子供等の将来について何の心配もなく安心してブラジルに骨を埋めることが出来るようになりました。
 そしてこれこそ我々移民が望んでいた所であり願っていた所であるのです。

 さて、翻って我々ブラジル移民が皆さん御存知のように言語の通じない風俗習慣の全く異なる遠く離れた異国で必死になって生きて来たことを想像されたことだらうと同情して下さるならばデカセギの人々を軽蔑せず暖かい思ひやりの心を持って接してやって頂きたいとお願いする次第です。

 そしてまた、日本で生まれ育った子供等は日本が故里であり、故郷でありますので、今度の不況で解雇が続いているにも関わらず子供等の将来を考へて永住を決意したデカセギの人々に早く国籍を認めるなど、希望が持てるようにして軽蔑したり差別をしたりせず暖かく指導してやって頂き度いとお願いする次第です。

 そして移民の集まりであるブラジルが我々が軽蔑されず人種差別も受けず社会の各部門に進出して楽しく幸福に家庭を持って暮らしていることを思ひやって暖かくデカセギの人々を迎へ入れてやって頂き度いとお願ひする次第です。

 此の映画を遠近を問はず忙しい所を見に来て頂いた皆さんは移民について関心を持って居られる人々と思ひますので特にお願いひする次第であります。
 御静聴有難うございました。

ブラジル 紺野堅一