メキシコからのお客様

この7月6日、現在、メキシコから東京の大学での研究のために来日されているモニカさんが京都に来てくれました。彼女は、南アフリカのアパルトヘイト運動の中での女性を研究されています。

今回、日本の大学でもジェンダーの授業をされ、『ルッキング・フォー・フミコ』を使ってくださいました。当時の映像を見て、みんな大変な刺激を受け、ディスカッションが大いに盛り上がったとのことです。

京都にわざわざ来てくださったのは、フミコのDVDを直接私から手に入れ、会ってお話したいからという理由からでした。ほんの1時間半くらいの短い間でしたが、様々な話題で思わず話し込みました。

私は、フミコを製作、当初の配給を終えた後、メキシコに行き、次のプロジェクトに取りかかっていたが、怪我をして、帰国し、その後、機会を失っているという話をしました。すると、彼女はぜひその同じプロジェクトを再開するようにと大いに激励してくれました。

このプロジェクトは、持続可能な社会についてのヒントを与えてくれる、メキシコのある地域についてのもので、今の時代にますます意義があるように思います。当時、お世話になった人たちにも、その後のごたごたでご無沙汰したままですし、製作環境も鑑みると本当に再開できるかどうかはわかりませんが、なんらかの形にしたいと思うようになっています。

新たに良い刺激をくださったモニカさんに感謝です。


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「移民の世紀とわたしたち」を教える

大学で1学期にわたり、「移民の世紀とわたしたち」という授業を行ないました。すでに移民について関心の高い学生もいましたが、知らないという学生の方が多数でした。そこで、コースが始まって早々、『ブラジルから来たおじいちゃん』を学生たちにまず見てもらいました。

『ブラジルから来たおじいちゃん』のスタディ・ガイドのエッセイを宿題で読んでもらい、簡単に背景的知識を得てからの、映画鑑賞です。コースが始まったばかりで、まだまだおとなしい学生たちでしたが、映画を見た後、ブラジル移民に関して様々な質問が出ました。第二次大戦中、ブラジルは連合国側となり、枢軸国の日本とは敵味方となってしまったが、戦争中は日本からの移民たちはどうしていたのか、日本語を教えてはいけない、日本語の新聞も出してはいけない、日本人だけで集まってはいけない等の法律ができたが、それは日本人だけに対してだったのかなどなど。なかなか興味深い質問です。宿題でそれぞれに感想文も書いてもらいました。

最初に見てもらったのは、映画を導入部にして、日本も元は移民送り出し国だったということを学び、移民を自分の課題として捉えてもらおうという狙いのもとでした。

今回の学生たちの中には、外国にルーツをもつ人たちもいて、彼らが自らの体験を含めて積極的に発言してくれて、授業が大いに活気づきました。その体験談から私も多くを学びました。また、移民に懐疑的な学生もいて、その存在も刺激的でした。わいわいがやがやの授業になり、様々な意見や視点が飛び交い、充実した学びの時となりました。

今年もまたこのコースを教える事になったので、いろいろ改善して、さらに良いコースにしようと、振返っているところです。


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ニューヨーク・タイムズ紙に引用されて

 舞踊の研究を中心に活動していた時代に書いた舞踏についてのエッセイが、なんと今頃になって、ニューヨーク・タイムズ紙の記事 “Haunting Atmosphere of Whispers and Enigma Mina Nishimura Invokes Butoh at Mount Tremper”に引用されていることを、友人が知らせてくれました。彼女が知らせてくれなければ、気づかないままだったでしょう。
 最近、博士論文を翻訳したいという話もいただいたりして。書いたものが知らないうちに、欧米の舞踏関係の方たちに出回っているようで、浦島太郎のような気分です。ドキュメンタリーも然りですが、力を注いだ仕事が見知らぬ人たちによって活用されているのを知るのは、うれしい驚きに他なりません。


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20年たつ今も

昨日、日本の大学で英語教育に携わる先生がた対象のRipples of Change (ルッキング・フォー・フミコ)の上映会が開かれました。その大半がアメリカ、イギリス、ドイツ人の先生がたと留学生たちでした。和気あいあいとした雰囲気の中、Q&Aが進み、この映画の時にはよくそうなるのですが、皆さん、ご自分自身の抱える問題を話し出されました。

乳児、幼児を抱えて、大学で教えるのに、授乳室やデイケアがないこと。待機リストが長いものの、一旦入れてしまえば、日本の保育所は、イギリスやアメリカに比べて、質が高く、とても頼りになること。日本の学校でジェンダーの概念自体を教えることの難しさなど。様々な話題が出て、大変充実した時間となりました。

製作してから20年もたつこの作品が、未だにこのような場を作ることができたこと。参加された先生がたがこの作品を授業で使いたいとおっしゃってくださったこと。作者冥利につきます。久しぶりにこの映画を見て、撮影や編集の時のことをなつかしく思い出しつつ、感慨にふけりました。

 


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Ripples of Change上映会

来る11月2日に高槻でRipples of Change (ルッキング・フォー・フミコ)の上映会がThe Japan Association for Language Teaching (JALT)の主催でメンバーのために開かれます。多くの方がすでに申し込みをしてくださっているとのこと。今の時代に、日本のウーマン・リブが日本で英語を教える外国人の先生がたにどう捉えられるのか、質疑応答が楽しみです。


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映画芸術科学アカデミーのアーカイブに永久保存 Added to AMPAS Archive

拙作『RIPPLES OF CHANGE (邦題 ルッキング・フォー・フミコ)』のプリントがロサンジェルスの映画芸術科学アカデミーのアーカイブに永久保存されることになりました。個人や小さな組織では良い状態で保存しにくいプリントをアカデミーでしっかり保存してもらえることになり、とても安心しました。また、映画史の一部にしっかり刻まれることになるのもうれしい限りです。

A 16mm film print of  my documentary “Ripples of Change” will be added to the archive of the Academy of Motion Pictures Arts and Sciences. I am so happy to have it permanently stored in a good condition there. It also means that the work really becomes a part of film history.


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