作品に寄せられた言葉 <10 



2010年1月20日に滋賀県近江八幡市の小学校で、
授業参観後、PTA人権研修としてお母さんたちと先生たち向けに上映され、
栗原も授業参観をさせていただきました。
こちらはブラジル人の子供たちが十人弱在席する学校で、
教室の一番真ん前に座って元気よく手を挙げるブラジル人の子供の姿を拝見して、
安心したりしました。

上映会では、なるたけリラックスした気持ちで見られるようにとの配慮もあり、
上映前にブラジルのお菓子が配られ、畳の部屋で座布団に座っての和やかな上映会でした。
質疑応答では、皆さん、とても静かで、どんな風にご覧になったのか、
心配になったりしましたが、後に送られてきた感想を読ませていただいて、
上映会を開いていただいて本当に良かったと思いました。

ブラジル人の多く住む地域でこういった形で上映をしていただくことによって
ブラジル人がなぜここにいるのかについての理解を進めることができると改めて感じ、
今回、上映会を企画してくださったM先生に感謝するとともに、
今後も学校の先生方に働きかけていこうと思ったことでした。

送っていただいたご感想をご紹介させていただきます。



紺野さんは、73年という長い年月大変苦労されたにもかかわらず、温かい穏やかな方で、素晴らしいおじいちゃんでした。私たち日本人は、まだまだ、外国人に対して理解できていないのかなと思いました。もっと、この垣根を取り除く様に努力しなくてはならないと思います。


〇会社にも、ブラジルの方と一緒に働いているのですが、昔は、日本→ブラジルに働きに行っていたのを知らずビックリしました。言葉も通じなく知り合いもいない国での生活の難しさを改めて考えさせられるし、その家族や2世3世にも影響を与えているのだと考えさせられました。もっと、他の国の方々が住みやすい国にしていかなければと思う。


〇移民や日系など、言葉は聞いたことがあったけれど、全然、歴史や背景は知らなかったので勉強になった。「ブラジル」とか「日本」とか関係なく色々な国の人が、それぞれに優しく、思いやりを持って暮らせたら平和な世界になるんだろうなあと思った。あのおじいさんが日本のこともブラジルのことも、とても大切に思っていることがすごく伝わる映画だったと思います。


〇移民の方たちについては、テレビ等によって知っているつもりでしたが、今回、この映画でもっと深いことを教えてもらいました。紺野さんが亡くなられたのは残念です。不況で日本も大変な時ですが、ブラジルから働きに来ておられる方たちも安心して暮らせる社会になってもらいたいと思います。


〇日本人がブラジルへ行くその苦労を想像することは難しいことではない。自分がと容易に置き換えて考えられた。けれども、ブラジルの人が日本に来る苦労に対しては想像がとても乏しい。心の中まで察しようとしていなかったことに気づいた。異国の地で暮らすことに変わりはないのに。日本人が冷たいと思われるのは、その人の苦労や気持ちに思いを至らすという気持ちが少ないからだ。自分もそうだった、知らず知らずのうちに、ブラジルの方の人権を軽んじていたのだと反省した。紺野さんの他者に対する思いやりの温かいまなざし、誰よりも日本男子らしい背筋の伸びた姿、幸せとは、生き甲斐のある生活をすることであり、何事にも満足すること、生きる覚悟をもってしっかり生き抜かれたその人生に大変勇気をもらいました。


〇ブラジルから働きに来ておられる日系人の子どもたちには、義務教育が適用されないと聞いて驚きだった。近頃は不況の影響で、仕事につけない人も大勢おられるだろうから学校に行きたくても行けない子どもも多いと思う。色々支援しているところもあるけれど、ひとり一人はまだまだ無関心である。冷たいと言われてもしかたがない。私自身何もできないけれど、せめて、外国から来ている方たちに疎外感を与えるような態度はとりたくないと思う。


〇日本経済が悪かったころ、外国に移住する人が多くて、とても苦労したんだなあと思う。今度はブラジルの人が日本に来る人が多いので、平等に接して行けたらと思います。


〇映画の中でおじいちゃんが「自分は大日本帝国臣民で自分の子どもも孫も臣民と思っているのに、他から見たら日系2世、3世で外国人としてみられる・・・」というようなことをいっておられたが、確かにその意識の差が差別となっているのだろうと、考えさせられました。


〇移民の多難を乗り越えられ、本当に今何が求められているのかを実際自分の足と手で色々な場所で伝えられてきた紺野さんの言われていたことで、「人は国に尽くし、そして、国がなくなれば人に尽くす」という言葉がありました。利害だけで物事を判断することが多い中で、今一番考えなければならないことのように思います。お互い、地球に住む人間同志、人種差別などなくし、互いに認め合い尊重しあう事で、いろいろな国がもっと自由に行き交えて、暖かい人情も行き交えるように思います。日本の色々な制度も見直す必要があると思います。


〇ブラジル移民について知る良い機会でした。日本に来日している外国人が、不安なく仕事や生活が出来るようになってほしいです。



作品に寄せられた言葉 
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