作品に寄せられた言葉 <3> 

現在92歳になる移民一世の紺野さんのブラジル生活は73年に及ぶ。孫の3世に囲まれる平和な生活を得ている。日本の弟が他界したことを機に毎年日本を訪れ、日本にデカセギに来ている知人を訪ねている。紺野さんとの何気ない会話からデカセギ家族の実像が映し出される。カメラがデカセギ家庭の中に入り、家族の姿を映し出せたのも紺野さんの人脈とブラジル人ならではのホスピタリティーであろう。紺野さんは、日本語とポルトガル語が飛び交うデカセギ家族の中で、『日本人は3世でブラジル人になった。日本のブラジル人も同じことだ』という。日本人として永い異国での生活経験に裏打ちされた貴重な観察である。ドキュメンタリー作成中に他界した成松政行さん。合掌。
三田千代子 (上智大学)



「一世、二世は犠牲になった。三世の代になりブラジル国民となった」という何気ない紺野さんの言葉には、移民の苦闘史がしみ込んでいると思いました。その一端をブラジルで新聞記者をしているときに垣間見た私は、あの言葉に移民の誇りを感じました。
「同じことが、デカセギにきているブラジル人にも起きる」とつぶやく紺野さん。胸に突き刺さる言葉でした。このドキュメンタリーは日本人にぜひ見てほしいと思います。
「人間は自分の生きている土地で尽くすべき。国のすべてがなくなれば、人類に尽くせばいい」という紺野さんの言葉は、グローバル化の本質を的確に表現しています。
栗原監督に心から拍手を送りたいと思います。
高橋幸春(ノンフィクションライター)




「この多言語ドキュメンタリーは『ディアスポラ映画』というほかはない。
移民の歴史や既に到来している日本の多文化社会を知るということにとどまらず、
私たちの『暮らし』自体を問い直し、豊かにする知恵の言葉がつまっている。」
東琢磨(音楽評論家)




「紺野さんの言葉が深く響きました。幸せって何なのか、何のために働くのか、自分はどうなりたいのか、どんな風に人生を終わりたいのか、、、考えさせられています。」
田中もも子(JICA兵庫 JICAプラザ兵庫担当)



作品に寄せられた言葉 
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