昨日、大阪府吹田市にある大阪学院大学での上映会にうかがいました。こちらはスタディガイドを一緒に作っているステファン・ダルトン先生の教える、留学生と日本人の学生が一緒に授業を受ける国際センターでの上映会です。中国、アメリカ、フィンランド等々、海外からの学生さんたもいて、トランスナショナルな参加者を相手に、英語と日本語のバイリンガルで行なわれました。他の先生たち、一般の方たちもいらしてくださいました。皆さん、上映中、敏感に反応してくださり、楽しんでくださっている様子がわかりました。
上映後の質疑応答では、多くの学生さんたちが手を上げてくれました。フィンランドからやってきた学生からは、ブラジル人の子どもたちの状況は良くなっているのかという質問、中国人学生からは、紺野さんは、戦後どうして日本に戻ってこなかったのか等の質問がありました。質問をしてくれた日本人学生と上映後、お話ししましたが、タイなど海外での学習体験があり、広い視野を身につけている若者で、将来、国際NGOのようなところで働きたいそうです。また、戦後、15歳の時にブラジルに渡られた準一世の方もおいでくださいました。深い色の瞳をした方です。改めてお目にかかり、お話をうかがうことにしました。
ダルトン先生の学生たちは、先の授業でスタディガイドのエッセイを読み、グループワークを行なって、上映に臨みました。日本人学生の中には、上映後に質問に来る人たちもいました。日本人移民のブラジルでの体験はどうだったのか、また、日系ブラジル人の日本での体験はどうなのかというものでした。
日本の大学では上映後、質問が出ないところが多いのをこれまでとても残念に思っていました。しかし、この大学では自ら学ぶことを大切にした授業が行なわれているおかげで、場が自由に発言できる雰囲気に満ち、より多くの学生から質問が出ました。授業形式を変えることによって、日本人の学生たちもより積極的になれることは確かです。
また、多様性を大切にする態度を身につけるには、授業自体もそれに即した形が必要です。それには、先生の言葉を受け身で聴くだけでなく、映像を見て、学生たちが意見を互いに述べあう、多様性を重視した授業形式がふさわしいと思います。
今回の上映での学習は、次の授業でさらに深めるよう計画されています。ダルトン先生が映像を組み入れて、より主体的学習ができるよう、工夫された授業形式のやり方は、今後、ホームページにアップするスタディガイドに反映させていきます。参加型の授業に、映像を活用した授業に関心をお持ちの先生方にぜひ参考にしていただければと思います。
大変すばらしい上映会を開いてくださった、ダルトン先生、大阪学院大学のスタッフ、先生、皆様、ありがとうございました。