昨日は、羽田澄子さん、今日はホベルト・マクスウェルさんをゲストでお迎えしました。羽田さんには彼女の最新作「嗚呼、満蒙開拓団」と「ブラジルから来たおじいちゃん」の関連等についてお話いただきましたた。今では、「満蒙」という字を読めない人も出てきており、近現代史を学校できちんと教える必要があるのではないかというお話になりました。
82歳で、毎年のように新作を発表される羽田さんのようなすばらしい先輩がいらしてくださるのは、大変な励みです。羽田さんに本当に感謝!です。
ホベルトさんは、「ブラジルから来たおじいちゃん」が日本からブラジルへ、ブラジルから日本への移住をひとつの流れの中にとらえていることが他の映画にない特徴であると指摘しました。そのような歴史の流れを理解してこそ、日本にいるブラジル人が抱える問題の背景が見えてくるということでした。
トークの時間ではなかったですが、ホベルトさんが日本人は移民の歴史を、すっかり過去のものとして葬ってしまっている、それではブラジル人が日本の社会で生きていく際に抱える問題を真の解決に導くことはできないのではないかという意味のことをおっしゃっていました。
確かにこの間、若い日系ブラジル人の方たちとお話しすると、みんなおじいさん、おばあさんに「日本人」であることを意識するように教えられたという体験があったとおっしゃいます。実際、今の日本人よりよほど「日本人」らしかったり、つまり、生真面目で、勤勉、どっしりと地に足がついたような雰囲気を彼らに感じることが多々あります。
今の日本社会は「外国人」扱いしていますが、いったい「日本人」とは誰なのか、大きな疑問を投げかけられたような気がします。
ホベルトさんは、日系ではないブラジル人で、そういう立場だからこそ見えてくるものもあるのかなと思いました。