名古屋学院大学の学生さんたちの感想、引き続きご紹介します。

「90を越えているにもかかわらず、じっとしているわけではないブラジルから来たおじいちゃん、とてもパワフルさを感じました。移民ということで言葉も、文化も全く違います。その中で諦めなかった力がすごいと思いました。
いろいろなことを体験しているからこそ、わかることがたくさんあるのだと思いました。」

体験から学ぶことは大切ですね。最近、外国旅行でもボランティアでも、若いうちにいろいろな体験を積んでいただきたいです。
苦しい体験も後から見ると、自分の栄養になっていたことがわかります。

「日系人として全く知らないブラジルで諦めずに努力して70年以上住むというその考えがすごいと感じました。90歳を過ぎても毎年ブラジルから日本に来て在日ブラジル人の方々にアドバイスをする行動力は、今の日本人の見習うべき点であり、僕自身も海外の事情に対して積極的に調べたり、訪れたりしようと思います。」

その関心をどんどん追求してください。一方、日本の国内にも外国人が多数住んでいて、言語、文化の違いからたくさんの問題を抱えながら暮らしていることを忘れないで! 海外との比較研究するなど、日本の現実にも目を向けてください。

「例えば、この話のように家族の中で誰かが他の国へ移住することになれば、その子孫は自動的にハーフの子どもが生まれる確率が高くなるし、そういう人たちは人生の中で頑張っていかなければいけない事が周りの人よりもあるから大変だと思いました。差別というものはあってはならないものだけど、なくすのは無理に等しいと思うので外国に住んだり、共生していくことの難しさが伝わりました。大人も労働条件が厳しかったりして下に見下ろされている感じがかわいそうでした。」

紺野さんとのご縁でブラジルに何度か行きましたし、米国に十数年住んでいた経験から言いますと、両国ではハーフだったり、クォーターだったりすることはそんなに特別なことではありませんでした。彼らは二つの、いやそれ以上の文化や伝統を体現して、つないでくれる人たちです。世界がグローバル化している今,世界中で普通の存在になっていくのではないでしょうか。

差別というのは人間が作り出すものなのだから、私たちが努力をしてなくしていきたいですね。公民権運動の言葉を読むと、差別する側がいかに心の貧しい、恥ずかしい存在であるかを痛感させられます。現実を直視しつつも、「私たちの社会を誰もが住みやすい社会にしよう」という自負をもって差別をなくしていきたいですね。