遅くなりましたが、アメリカ上映のご報告です。シカゴのノースウェスタン大学とシカゴ大学での上映でした。

ノースウェスタン大学のあるシカゴの隣のエヴァンストンには、今回、私をご招待くださったハイン教授によると、アンダーグラウンド・レイルロードという組織で、南部から逃れてくる黒人奴隷たちを支援した教会が多数あるということです。また、シカゴ自体も、多数の移民が住む街です。オバマ大統領の自宅は、シカゴ大学のそばにあるとも聞きました。

そんな街にある大学での上映は、やはり様々な背景を持った人たちが集まり、刺激に満ちたものでした。日系ブラジル人2世の物理学教授、日系ブラジル人で日本で育ったが日本に帰化し、現在はこちらで勉強する学生、ポルトガル語を教えるブラジル人の先生方、日本語を教える日本人の先生方、また、日系アメリカ人で南米の日系人をテーマとする研究者などが上映に集まってくださいました。

ノースウェスタンでの上映で、2世の先生は、「自分の家族のストーリーだ。」と映画を作ったことを感謝してくださいました。また、ご自分の親戚も日本にデカセギに行った人がいたとも話されていました。日本に帰化した学生は、自分は日本で育ったが、特に違和感はなかったとコメントしました。日系の研究者はぜひクラスで学生たちに見せたいと言ってくれました。

シカゴ大学では、ブラジルでは差別があるのか、また、日本と、ブラジルの、移民資料館の展示の違いは何かなどの質問も飛び出しました。ブラジルは、アメリカのような差別はないようだがと答えました。資料館の展示については、きちんと比較してみたことがないのですが、撮影の時に感じたのは、日本のものは、とてもきれいでよくできてはいるのですが、移民した人たち本人の場所というのがそこにはないように感じられたことを話しました。

様々な背景を持つ人たちに見ていただき、『ブラジルから来たおじいちゃん』は、新たな広がりを持ちました。今回、お世話になりましたハイン先生、フィールド先生に感謝を申し上げたいと思います。