昨日、大学4年生の女子二人にお目にかかりました。知的でとてもチャーミングな二人です。不況ということもあって、就職活動はなかなか大変そう。男女雇用均等法以前の30年前の私たちの頃に比べれば、ちゃんと就職勧誘の郵便物が届いたりとか、男子x名、女子Y名というような差別的な表示はされなくなってはいます。でも、一般職は女子だけとか。面接で男子2人と並んだ彼女に、「体力はあるのか」という、いかにもな質問が。結局、同じなんですね。複雑な思いがあります。

だからこそ、彼女たちも私の前作を見て、おもしろがってくれたのかもしれません。今は女性の中で階層分化してしまい、以前のような運動も目に見えるような形では存在しなくなりました。一見、自由になったように見えるだけに、余計に事態は深刻かも。今や、仕事をして、子供も産まないと、一人前ではないというような言説やイメージが流通させられて、とても気の毒。産婦人科医が不足して、お産の時に、病院をタライ回しされて、亡くなる女性が続出するような事態なのに。

一方、勤務医の友人たちは、超過酷な毎日を送っていて、彼らのような職業倫理の高いお医者さんたちがいなくなれば、あっという間にこの国の医療は崩壊してしまうのは目に見えています。

もっと根本から生きるということを考えて、様々なことを考え直して、変えていかなければいけない時代になっています。一部の人たちの間で表面的に物事を決めるのではなく、公共の場を広げて、本当の議論をして、ひとりひとりの生きる力をもっともっと引き出すような社会にしていかないとと思います。

若い女性たちに会って、30年前と本質あまり変わっていない状況を見たのは、ショックでした。