初日には、たくさんの方々にご来場いただき、本当にありがとうございます。初日一番のりは、ブラジル生まれで、戦前に4歳でブラジルから日本にやって来て、戦争のためにブラジルに戻れなくなってしまった男性とそのお連れ合いでした。サンパウロにも親戚がいらっしゃるとのこと、トランスナショナルに家族が散らばって生きてきた人たちが日本にも昔からいらしたんだと実感しました。
2日目には、音楽評論家の東琢磨さんにトークのゲストとしてお出でいただき、お話が盛り上がりました。東京の中でも90年代に都心から郊外への外国人の移動があったこと、また、ブラジル人の多数は、地方にいるために、東京のメディアからは見えにくい存在になってしまっていることなど、これからさらに話が深まりそうなところで、時間の都合でストップしなければならなかったのはとても残念でした。
皆さん、紺野さんの姿や言葉にそれぞれに感じるところがあったとおっしゃいます。また、東さんがパンフレットに寄せてくださった原稿で『決して多くはない「登場人物」たちの会話や、写し込まれた風景や表情、身振りの細部の多様な密度にあらためて驚かされる』と書いてくださっています。静かな映画ですが、耳を澄ませ、目をこらすと、思わぬ音が聞こえ、物が見えてくるようになっています。
まだ、ご来場でない方、ぜひぜひお運びください。また、ご覧になって、気に入られた方は、ご家族、お友達、お知り合いにぜひおすすめいただけませんか。
私も、今週は、毎日、上映会場に足を運びます。どうぞお気軽にお声をおかけください。
栗原奈名子