撮影で訪れた広島県 福山市松永での上映会に行ってきました。

松永には、800人のブラジル人が在住しています。また、アジアの他の国からの住民もいる多文化の街です。

当初、100名の上映会ということでしたが、問い合わせが多く、会場を急遽多目的室からホールに変えての会となりました。結局、当初の倍の200名の方がご来場くださいました。ブラジル人やアジアの他の国の人たちもいらしてくださいました。

紺野さんと子供たちのユーモラスな会話に思わずみんながくすくす笑ったり、学校に来ないブラジル人の子供たちの話にみんなはっとさせられたり、自分たちの住む街での親近感もあって、皆さん敏感に反応されているのが、手に取るようにわかりました。

上映後には、16年間、地域で外国人相談員をなさってきた方のお話がありました。現状をふまえながら、大変厳しい状況ではあるが、地域で外国人住民を支援していこうと、前向きで元気の出るお話でした。

映画と外国人相談員の方のお話の組み合わせがとても良かった! 今回の会を企画してくださった福山市西部ブロックの方々に感謝です。地元の行政の方がリーダーシップを取って、地域の人々とともに厳しい状況を乗り越えようとしている姿勢が感じられました。

それぞれの思いでそれぞれの場で行なってきたことが今回、こういう形で実を結んだようで、とてもうれしかったです。制作者冥利につきます。地元でとても良い形で上映を行なえた事を関係者の皆様、ご来場くださった皆様、そして撮影に協力してくださったご家族の皆様、学校の皆様に心から感謝しています。

会の後は、撮影でうかがったご家族にお目にかかりました。みんな、元気にしておられ、上映をとても喜んでくださいました。弟くんの方も忙しいご両親をお手伝いして、みちがえるよう。すっかり大人になってきました。

また、ブラジルに戦後渡られ、4年ほど住んだ後、故郷福山に戻ってこられたお二人に再会。ブラジル人の支援を地元で行なってこられたことを、今回お聞きしました。外国係というのを福山市に作り、それが今の外国人相談等につながる、多文化共生先進の福山を作ってきた歴史があることを知りました。ブラジルでの体験のある方がまず支援に取り組まれたのですね。いろいろな方のつながり、努力が積み重なって、多文化の街が成り立っているのだと改めて感じ入りました。(お二人をご紹介くださったKさん、ありがとうございます。)

多文化の街というと、神戸の鷹取が思い起こされます。松永も鷹取も海の近くの温暖な気候、光あふれる開放的な雰囲気、下町気質があります。外国人相談員の方のお話でも、街を歩いていると、ブラジル料理の良い香りが漂ってきたり、子供を自転車に乗せたブラジル人のお母さんが声をかけてくれたりと、語られていました。外国人住民が住みやすい街は、日本人住民にも住みやすい街です。日本にはなくなりつつある下町の風景が、違う形で復活してきているのかもしれません。松永の「多文化共生のまちづくり」がますます発展する事を願っています。