9日、水曜日は、文学者、翻訳家、そして役者、大学の非常勤講師をなさっているチェ・ジンソクさんにおいでいただきました。まだ小さい頃にご両親が韓国から日本にいらして、お兄さんがいらっしゃるということもあり、映画に登場する兄弟の弟であるドグラス君と自分が重なりますとおっしゃいました。
愛くるしいドグラス君ですが、しっかり者のお兄ちゃんのもとにいて、中は混沌としているのです、と指摘なさったのが印象的でした。外国で育つということは、当事者どうしならすぐに理解できるような体験を含んでいるのだということを改めて教えていただきました。横のつながりへの可能性を大いに感じました。また、そういう体験を文学や芸術として広く表現していただきたい。文学者、役者としてのチェさんに期待したい所です。
格差社会と言われるような状況になって、不安が高まっている時代、どこかに敵を見つないと不安でしようがない、憤懣やるかたないという人たちがいます。格差をなくす方向に社会を動かして行く事はもちろん。私としては、排除するのではなく、つながり広げていくことによって、安心して、より良く生きる形を見いだしたいと思います。国の施策については、外国人だからなどと思っていると、あっという間に自分たちに適用されるのではないでしょうか。外国人だから、女だから、○×だから、私には関係ないなどと思っているといつの間にか、自分のことになっているのが、世の常のようです。
紺野さんの存在のおかげで、新しいつながりが生まれてきて、うれしい限りです。こういう時間を積み重ねつつ、多様な人々に開かれた文化空間を根付かせていきたいものです。
*崔さんが出演する公演のお知らせです。
「棄民サンプル」(野戦之月海筆子)
2009年10/31(土)、11/1(日)、2日(月)、3日(火)、6日(金)、7日(土)、8日(日)、毎晩18:00受付/19:00開演
東京 井の頭公園西園 特設テント